枯れないように水をやろう2

音楽や映画や本のことや雑記

『Q.O.L』 小路幸也

Q.O.L.  Q.O.L

ほのぼのとしてるようで、ちょっとクールに。

男2人と女1人の共同生活。

ちょっとした、ひとにやさしく。

そんな、彼らには消し去りたいような過去を背負っている。

そしてあるきっかけから、復讐を考える。

復讐なんかより大事なことがあるとよく言うけれど、

復讐にとらわれた人には届かない。

そんなものにとらわれているように思えない人ほど、

心の中では、渦巻いているものがあるとも思える。

復讐というありふれたテーマ。

憎しみという負の感情。

そういったものを、ちょっと変わった手法で取り上げてみよう。

そんな意気込みが、感じられる話だった。

とはいえ、この話は別に復讐にとらわれた人の話ではない。

ちゃんと過去でなく、現実を見ているし、

悲しみとか憎しみに支配されているわけでもない。

だけど、復讐に至るまでには、それなりの出来事が、

ドラマが、トラウマがあったということなんだろう。

それは、たぶん消えることなんかないだろうから、

ちょっとした、きっかけで恨みを晴らしたくなるのかもしれない。

難しく考え出すと、結局全部が嫌になるかもしれないけど、

ちゃんと考える必要があるんだろう。

だからといって、ゴチャゴチャ考えると、生きるのが辛くなりそう。

シンプルなのが一番良い。

まあ、前に進める、色々あったけど生きていけるさと。

そうやって割り切れる生き方なら、なかなかに良さそうだ。

でも、忘れられるはずもないから、人間って難しい。