「かもめ食堂」
とにかく変な映画。
その食堂の時間は、ゆっくり流れる。
スローイズビューティフル。
それは、当たり前の日常の流れ。
日本が舞台だと思ってたのに、実はムーミンの国だったり
普通におにぎりを食べるシーンで涙しそうになったり
わら人形を打ち付けるシーンで笑いそうになる。
思わずクスッと笑うシーンも多い。
それも恐るべき個性派な俳優のせい。
そこに小林聡美が加われば、とてつもなく変な空間。
それでいて、居心地の良い。
そりゃ、豚身昼斗念も空気のように溶け込むさ。
当たり前のようにみんなが集まってくる。
放浪カモメは、ここにやってくる。
だけどいつかは、去っていく。人は変わる。
どうせ変わるなら、良い方向に。
渡り鳥が、いつか帰ってくるその日まで、
かもめ食堂が、そこにあるように思いたい。
意味なんかなくたって、後付であったって、
そこに自然に集まれるような場所って素晴らしいと思う。
とりあえず映画館はこの映画を放映する時は、
ホットドックやポップコーンでなく、おにぎりを出すべき。
学校終わって、バイトして、夕食ぬきでレイトショー見に来た、
自分にとっては、ある意味拷問。
資金難で、ポテトしか食ってないよ。
トンカツ、から揚げ、肉じゃが、鮭、ついでにシナモンロール。
もちろん明日は、おにぎりを作りたくなる。
誰かに作ってもらえれば一番。
誰かに作ってもらえたものの方が、自分でつくるより美味しいもの。
だからごく普通の料理が出るだけの食堂なのに、
すごく美味しく感じる。
それにしても、フィンランドに行ってみたいな。
そんなすぐに影響を受けてしまう、自分です。